8月の出来事

2009年11月18日

 今年の8月は私にとって本当に本当に濃密な1ヶ月でした。休日はわずかに2日間,あとの29日間はとにかく仕事,仕事,仕事。その中でも特に大きな2つのイベントが東京・大阪の帝国ホテルで行われたインペリアル・ジャズ・コンプレックス,そしてスタジオジャイヴで行われたISSEI NORO INSPIRITSの2ndアルバム録音でした。

 ちょうどお盆付近が日程となる「インペリアル~」への参戦は一昨年,去年に続き3回目。去年までは横山達治 (perc.) さんのラテン・ジャズ・ユニットでの出演でしたが,今年は女流パーカッショニストどれみ♪ちゃん率いるラテン・バンド「どれみ~た♪」の一員として5日間(前夜祭含む)演奏してきました。この「どれみ~た♪」,メインのメンバーもルイス・バジェ (trp.) さんや忍田耕一 (trb.) さん,斉藤崇也 (pn.) さん他凄腕のラテン・ミュージシャンが集結しているのですが,今回の「インペリアル~」ではここに元イラケレのオスカル・ヴァルデス (perc./vo.) 氏,1950年代のモンゴ・サンタマリアのアルバムに参加しておられるフェリックス・プーピー・レガレータ (vln./vo.) 氏がスペシャルゲストとして参入するというとてつもない事になっており,リハ/本番/楽屋で飛び交うスペイン語や英語の渦に疑似海外旅行をしたような気分になってしまいました。
 それにしてもキューバの巨匠たちの,「人間」の熱い事と言ったら。そしてそのリズムの奥行きの深さと言ったら。特にオスカル師匠にはベースの事やトゥンバオの事,そして音楽への姿勢や妥協のしなさ加減(笑)などいろいろな切り口でラテン・ミュージックを教わりました。この熱い人々の情熱がこの音楽を築いてきたのだという事を文字通り目の当たりにし,剰え一緒に演奏させてもらった事は単なる思い出として終わらせるにはあまりにももったいない非日常だったと思います。これを「思い出」ではなく新たな自分のスタートだと言えるように,再び巨匠たちと相見える日まで研鑽を積まなくてはなりません。


(後列左から)ルーウィー (drs.) ,忍田さん (tbn.) ,阿久澤君 (trp.) ,ルイスさん (trp.) ,神村君 (pn.)
(中列左から)どれみ♪ちゃん (perc.) ,貫田さん (sax.) ,能見さん (perc.) ,横山さん (perc.)
(前列左から)オスカル師 (perc./vo.) ,プーピー師 (vln./vo.)
(すみっこの人)やぢま (bs.)

 そしてその「インペリアル~」最終日の翌々日からINSPIRITSの録音がスタート。その壮絶な内容についてはいずれ「Works」のページで詳しくお話ししますが,前作は1日2~3曲ペースで録っていったのに比べ今回は1日3~4曲ペースでの録音となり,しかも前作に増してアグレッシブで難易度の高い曲が多く,個人的には今までの人生で一番楽しく,一番シビアなレコーディングだったように思います。それでも1日設けてあった予備日を使わずに3日間で10曲録り切ることができたのは,「初めまして~」の状態(ホントに)で録り始めた前作に比べるとバンドとしてお互いの呼吸が断然理解し合えているからに他なりません。10月初旬に届いたマスタリング後の音源を聴いて我が事ながら「凄いアルバムだなー」と感心するとともに,「こ,これ,ライブで弾くんだよねホントに」というプレッシャーで早くもオロオロしている今日この頃です。アルバム名は「Moments」,12月2日発売予定です。全てのフュージョンファン必聴,そして特に今回はベース好きの皆さんにも広く聴いていただきたいです。ベースだけに限って言えばアルバム全体で前作の倍くらいの音数が入っているかもしれません(笑)。


ブース内の様子(1)
左より,Veillette6弦フレットレスとRoscoe6弦。
アンプはVeilletteで弾いた1曲のみ使用。


ブース内の様子(2)
左より,Elrick6弦,Yamaha6弦フレットレス,Roscoe6弦。
今回は家にある5本のベースを全て使いました。


ブース内の様子(3)
アンプヘッド及びDIはEBS製。キャビはBergantino。
シールドはカゲツロック。

 その他,下旬にはオバタラ・セグンドのツアーがあったり,ゴスペル関連のリハーサルが死ぬほど入っていたり,マンションの夏祭りで半日フランクフルトを焼き続けなければならなかったりと本当に休む間もない8月でしたが,ともかく体を動かした以上に色々な人に情熱の形を見せつけられ,教わり,感じ,考えさせられた1ヶ月間でした。考えたり感想を書いたりするだけなら誰でもできる訳で,この経験を私は私なりに自分の中で昇華させ,新しい演奏という形でアウトプットしなければ意味がありません。


しかしサボるわけにもいかない夏祭り”

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